日本の吟遊詩人「琵琶法師」。
法師が琵琶を取り出し「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。驕れる者も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。猛き者もついには滅びぬ、ひとえに、風の前の、塵に同じ」と弾き語るのは「平家物語」である。
メアリー・バーク夫人が日本美術コレクションをはじめて半世紀。そのひとつに作者不詳の「平家物語図屏風」がある。17世紀後半の江戸時代に描かれたもの。
絵師-宮廷の装飾画を描くもので、つまり朝廷に直属する絵画制作職人のことを指した。江戸という一都市の庶民層によって生み出された浮世絵を描いたものを絵師ともいう。
さて、岩佐派も平家物語図屏風を描いている。それが「鶴・平家物語図屏風」だ。江戸初期に独自の作風で活躍した絵師、岩佐又兵衛勝以を流祖とする画派の一つで岩佐派という。岩佐源兵衛の「鶴・平家物語図屏風」がこれ。
海北友雪「源平合戦図屏風」という作品もあるらしいが、これはまだ見たことがない。
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